フォークリフト安全作業の6つのポイント!【まなVRクラウド】
フォークリフトは、倉庫や空港などさまざまな場所で利用されており、人々の暮らしを支えています。フォークリフトがあれば、たくさんの荷物があっても、サイズに関係なく簡単に運搬できます。
木材や自動車部品の運搬など荷物の運搬にに欠かせないフォークリフトですが、扱い方を誤ると死亡事故につながってしまいます。実際に、2015年以降のフォークリフトの労働災害者数は、2015年1890件、2017年に1977件、2018年に2113件と増加傾向にあります。
今回は、フォークリフトを安全に利用していただくために、安全作業の6つのポイントについてわかりやすく解説していきます。
フォークリフトの安全研修にお悩みの方
2.無資格運転を絶対にさせない
3.横転注意
4.進行方向(前後左右)への安全確認
5.フォークリフトの走行経路へ立ち入らないこと
6.作業開始前点検と整備を徹底すること
7.安全作業のポイントを知っている「人」が大切
フォークリフトは、目的に関係なく利用できるわけではありません。主たる用途以外での使用は、禁止されています。労働安全衛生規則の第151条の14(主たる用途以外の使用制限)を見てみましょう。
“第百五十一条の十四 事業者は、車両系荷役運搬機械等を荷のつり上げ、労働者の昇降等当該車両系荷役運搬機械等の主たる用途以外の用途に使用してはならない。ただし、労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない。“ |
ここには、荷物の吊下げや労働者の昇降など、主要となる目的以外には使用してはいけないと記されています。フォークリフトは、ハシゴの代わりに使われるケースがありますが、本来の目的以外で使用していると転落事故に繋がってしまう可能性があります。
実際に、平成28年にフォークリフトでバスの整備をしていた方が転落し、死亡事故を起こしています。たった2メートルの位置から転落しただけで、人間は死亡してしまいます。
参照:他にも、高くリフトされたパレット上で荷物の手直しをしていたところ、バランスを崩して落下してしまったり、フォークリフトの爪に大きな荷物をつり下げて運搬していたところ、ロープが切れてしまい大事故が起きてしまったりというケースは、たくさんあります。
フォークリフトは、最大荷重1t以上のフォークリフトを運転する場合、有資格者である必要があります。「工場内だったら、免許がなくても問題ないのでは?」と思っている方がいますが、これは大間違いです。自社の敷地内であったとしても、無免許者にフォークリフトを運転させた場合は、違法行為となります。
1t未満でもフォークリフトの特別教育を受ける必要があるため、座学や研修を受けずに、乗ることはできません。
無資格運転は運転者だけでなく、運転を許した企業も罰せられます。実際に、違反者にはどのような罰則が科されるのでしょうか。まずは、法律をチェックしてみましょう。
安衛法第59条第3項…事業者は、運転者に対して特別教育を行う必要がある安衛法第61条第1項…事業者は運転者に対して、技能講習修了者など有資格者でなければフォークリフトの仕事をさせてはいけない。 |
つまり、無免許者は、どのような理由があったとしても、違法行為となります。実際の違反者には、6ヵ月以下の懲役、または50万円以下の罰金の支払いが命じられます。運転者だけでなく、雇用者にも同様の罰則が与えられることを考えれば、その責任は重いといえます。
フォークリフトの横転事故は、意外と発生しやすい重大な事故といわれています。実際にフォークリフトが横転してしまうと、作業者が車外に放り出され、機械の下敷きになり、死亡してしまうことがあります。
そのため、フォークリフトを利用する際は、次の点に注意しておくと横転事故を防ぎやすくなります。
リフトアップしたまま走行・旋回しない
工場内での事故のケースを見ていると、リフトアップしたまま走行や旋回しているケースがよく見受けられます。高所にある荷物を、別の高所へと移動させる際、確かにリフトアップしたまま走行する方が効率良く作業ができるかもしれません。
しかし、リフトアップしたまま走行した結果、多くの作業者がバランスを崩し、横転事故を起こしています。特に、最大積載量を超えそうな荷物を運搬している場合は、想像以上に旋回時にバランスを崩しやすくなるため注意が必要です。
傾斜通路を走行しない
工場内には、意外と傾斜通路があります。いつもなら問題なく歩いている傾斜通路でも、フォークリフトに乗っている場合は、横転しやすくなるため注意が必要です。特に積荷している場合は、荷物が坂道の上方になるように走行しましょう。
基本的には、上りは前進、下りは後進で進みます。しかし、傾斜通路を避けられるのなら極力、通路の利用はやめておきましょう。
シートベルト着用
フォークリフトで横転事故を起こす方の多くが車外に投げ出されています。もし、投げ出されなければ、フォークリフトの下敷きになり、死亡しなかったというケースが多々あるため、シートベルトを着用して横転時に放り出されるのを防止しましょう。
フォークリフトで運転事故ゼロを目指すなら、進行方向(前後左右)への指差呼称を利用した安全確認を徹底しましょう。たとえば、「前後ヨシ!」「左右問題なし!」「前進みます!」など、呼称の仕方を決めておき、運転者に徹底させます。
しかし、指差呼称をしていても事故が起きてしまうことがあります。それは、指差呼称をすることが目的となっていて、実際には安全確認ができていないからです。
たとえば、後方確認は、フォークリフトを後方へ進めた結果、事故を起こさないようにするために安全確認を行います。一方で、周囲の確認では、周囲に事故につながる問題点はないか、知るために確認を行います。指差呼称は、決して大きな声を出すことが目的で行っているわけではありません。
どちらもフォークリフトの進行方向の安全を確保するために行われるものです。もし、「後方ヨシ!」と発言することや、後方へと指を向けるだけで、安全確認をやったつもりになっているのなら、いずれ事故を起こしてしまうでしょう。なぜなら、それは運転者が確認したという錯覚を起こしているだけで実際には目で安全を確認できていないからです。
もし、注意しても改善がみられない運転者がいた場合は、当事者意識を持ってもらえるような教育が必要です。
注意すべきなのは、フォークリフトの運転者だけではありません。フォークリフトの近くで働いているスタッフも同様に安全にはしっかりと注意をはらう必要があります。たとえば、スタッフには、フォークリフトの走行経路へ立ち入らないように指導すると事故の発生を防止できます。
また、フォークリフト専用経路を設けられるようであれば、ぜひ設置を試みましょう。これにより、フォークリフトの巻き込み事故によるリスクを大きく減らせます。
フォークリフトを運転する際は、作業開始前点検と整備を徹底して行いましょう。作業開始前点検では、始業時に次のポイントを点検します。
・制動装置及び操縦装置に問題はないか
・荷役装置及び油圧装置の機能に問題はないか
・車輪が綺麗に回転しない、異音が発生しているなど、回転異常が生じていないか
・前照灯や後照灯、方向指示器及び警報装置の機能が問題なく作動するか
この他にも、日常点検項目として次のポイントもチェックしておくことをおすすめします。
・フォークリフトの爪やアタッチメントに損傷や誤作動がないか
・運転席に不要なものを積載していないか
・警告音は、問題なく鳴るか
点検を怠っていると、機械が急ブレーキや急発進、危ない時に警告音が鳴らないといった事態になるかもしれません。毎日、フォークリフトを利用する会社は、運転時に問題がなくても、こまめに点検して事故を防止しましょう。
フォークリフトの免許を有しているからといって、それが安全に運転できることを証明しているわけではありません。特にある程度運転に慣れてくると、安全確認を怠り、その行為が大きな事故を起こしてしまうケースは、多々あります。
フォークリフトを安全に運転したいのなら、人材育成の一環として安全教育を行いましょう。労働安全衛生に沿った安全教育研修を実施すれば、事故リスクは大きく下がります。最近は、VRを使ったリモート研修が人気です。リモート研修をお考えなら、「まなVRクラウド」がおすすめです。
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