フォークリフト事故の危険性 統計や事例を紹介

フォークリフト死亡事故は労働災害において多くの割合を占めています。しかし、実際にフォークリフトの現場では、事故に対する危機感を従業員全員に意識させることは、容易なことではありません。今回の記事ではフォークリフト事故の危険性を知ってもらうために、実際のフォークリフト事故の統計や事故事例を紹介します。

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フォークリフト事故の現状を知るために事故発生の傾向と事故件数について解説します。フォークリフト事故に関するデータを知り、対策を講じる必要性を確認しましょう。

 労働災害全体におけるフォークリフト事故の割合が高まっている

労働災害全体におけるフォークリフトによる死亡事故の割合は増加傾向にあります。2020年の厚生労働省の発表によると、労働災害による死傷者は減少した一方で、全体におけるフォークリフト死傷事故の割合は3年ぶりに増加したことがわかっています。

なお、2020年はコロナウイルス感染拡大による経済活動の縮小により、労働時間は低下傾向にありました。しかし、EC事業の拡大や人の行動制限などが影響して物流のスピードは加速しています。

その結果として、フォークリフトの死亡事故が増えているという事実から、フォークリフト事故の対策を講じる必要があると言えるでしょう。

参考:http://www.jiva.or.jp/pdf/21_SafetyDay_1_1.pdf

 フォークリフトによる死亡事故が増加している

次にフォークリフトの事故件数の推移を見てみましょう。

参考:フォークリフト事故統計の紹介 ―厚生労働省労働災害統計より―

厚生労働省の発表では、2019年に2,145件だったフォークリフトにおける事故件数は、2020年に1,989件と減少しています。ただし、死亡事故は2019年の20件から2020年は31件と大きく上昇しているのです。

参考:フォークリフト事故統計の紹介 ―厚生労働省労働災害統計より―

さらに、労働災害死亡者数は「トラック」「バス、乗用車、バイク」についで「フォークリフト」が3番目と上位に位置しています。このことからも、フォークリフトがいかに事故が多い乗り物なのかということが理解できるでしょう。

主要なフォークリフト事故として次の4つが挙げられます。

  • はさまれ・巻き込まれ
  • 激突され
  • 墜落・転落
  • 飛来・落下

2021年1~9月のフォークリフトに起因する労働災害の発生状況については下記の表を参考にしてみてください。

【事故型別件数】

2021年1~9月2020年1~9月差異
はさまれ・巻き込まれ475489-14
激突され317323-6
墜落・転落18615828
飛来・落下99104-5

ここでは、種類ごとの事例について詳しく解説します。

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参考:2021 年(1~9 月)フォークリフトに起因する労働災害の発生状況

1.挟まれ・巻き込まれ

フォークリフト事故の中でも、最も発生確率の高い事故がフォークリフトへの挟まれ・巻き込まれです。運転中に車体が倒れて運転者が挟まれたり、運転ミス・安全確認不足によって、他の作業者を壁や荷物などの間に巻き込んだりといったケースが多くあります。

2.激突され

フォークリフトと作業者が激突する事故も多い傾向にあります。作業者の注意不足を原因とする事故はもちろんのこと、車両の点検ミスや整備不良を原因とする激突事故も起きています。

整備不良は「ハンドル操作がうまくいかなくなった」や「ブレーキが急に効かなくなった」といった状態を引き起こす可能性があり、大変危険です。

3.墜落・転落

フォークリフトの運転中に作業員がフォークリフトごと墜落や転倒する事故もあります。また、フォークリフトの荷台に乗っていたことで墜落・転倒につながるケースも少なくありません。

フォークリフトごと転倒するような事故では、ハンドル操作の誤りによる段差や高所からの落下、無免許運転による操作のミスなどが原因として挙げられます。

4.飛来・落下

フォークリフトによって荷物を積み下ろしする際、荷物の落下や飛来などによって近くにいた作業員がケガをする事例もあります。

また、飛来・落下に関しては、フォークリフトに荷物を乗せて走行している際にも起こりえます。さらに、フォークリフトから荷物が落ちそうになり、それを止めようとした作業員が下敷きになるようなケースも少なくありません

事故発生件数が多く、死亡事故にもつながる可能性のあるフォークリフトの事故を防ぐには、作業時における安全ルールの順守が欠かせません。

フォークリフトの安全作業については、「フォークリフト安全作業6つのポイント」についてご紹介している記事がありますので、ぜひご確認ください。

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