VR教材で危険な事故を追体験できる?!〜学生も運転手の視点から危険学習が可能【まなVRクラウド】
自転車は、免許を取得する必要が無いため、交通ルールを理解していない児童でも乗ることができます。児童に交通ルールを教えるための交通安全講習では、これまでDVDなどでの映像教材が使われてきました。しかし、最近ではリアルな体験ができるVRを使った交通安全講習が注目を集め始めています。
そこで今回は、VRが学生の交通安全講習にも有効とされている理由やVRでの交通安全講習の概要をご紹介します。
自転車事故の構成比は増加している
自転車事故は、年々増加傾向にあります。警視庁が発表した「都内自転車の交通事故発生状況」では、2021年は交通事故全体に対して自転車が関与した交通事故は43.6%でした。5年前の2016年は32.1%だったことからも、5年という短期間で大幅に増加していることがわかります。
自転車が関与した事故が増加している今、自転車事故を減少させるためにも事故防止効果の高い交通安全講習が必要です。
参考:警視庁『都内自転車の交通事故発生状況』
ドライバーから見た自転車を観察することの重要性
自転車は免許が必要なく誰でも気軽に乗れます。その便利さから、学生が利用する場合も少なくありません。
しかし、自動車免許を持たない18歳以下の学生は、ドライバーから自転車がどう見えているのかがわかりません。そのため、「車から自分は見えている」「車は止まってくれる」と勝手に判断してしまうことで自転車事故につながるケースがあります。
VRは、免許が無くても走行中のドライバーと同じ目線で景色を見ることができるため、自動車から見えていない死角をリアルに体感できます。自動車側から自転車はどう見えているかを知ることで、自転車を運転する時の安全意識を高める効果が期待できます。
交通安全講習にVRを取り入れるメリット
VRを交通安全講習に導入することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、VRを交通安全講習に導入するメリットをご紹介します。
VRを交通安全講習に取り入れるメリットは、主に以下の4点です。
・受講者を飽きさせない
・見回すことで能動的学習が可能
・言語化しにくい内容でも直感的に理解しやすくなる
・疑似体験ができるため記憶に残りやすい
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
受講者を飽きさせない
近年VRは急速に普及しており、特に学生はゲームやスマートフォンでVR映像に触れる機会も多い世代です。そのため、VRは学生と親和性が高く、VRであれば興味を持って視聴する可能性があります。
ただし、興味を集められても飽きさせないことも重要です。VRは、首の動きに合わせて映像も動きます。視聴者が操作できないDVDなどの映像教材を流し続けるよりも映像が切り替わる楽しさが続くため、飽きにくくなります。
見回すという能動的学習
VRでは、顔の動きに合わせて画面の映像も動きます。
これまでのDVDなどの映像教材では、映像を見るだけの受動的な学習でした。しかし、VRでは見回すという能動的学習が可能です。
交通安全講習で知識を深めるためには、自分で考えて行動することが大切です。VRでは、能動的学習が可能なため、理解を深めやすいというメリットもあります。
言語化しにくい内容も直観的に理解できる
映像を見た上で学習内容をわかりやすいように言語化する必要がありますが、従来の映像教材では言語化しにくい内容も少なくありませんでした。例えば、ドライバーの死角についての内容です。自動車を運転したことがない学生に「見ない領域がある」ということは、いくら言語や図で伝えても理解しにくい内容でした。
しかし、交通安全講習にVRを導入すると、ドライバーの視点に立ってリアルな体験ができるため、言語化しにくい内容も理解しやすくなります。走行中の自動車の運転席といった実際に体験することが困難な学習でも、VRではリアルに体験できるため直感的な理解度が高くなります。
疑似体験により記憶に残りやすい
DVDなどの映像教材でも、凄惨な事故の様子を見ることは可能です。しかし、VRでは自分が事故の当事者になっているような疑似体験が可能なため、事故の恐怖感をリアルに感じられます。
リアルに体験することで記憶に残りやすく、学習内容の理解度が深められます。
VRを使った交通安全講習の概要
VRを使った交通安全講習では、一方的な講習方式ではなく、講師と受講者との対話形式で研修が進みます。対話形式のため、受講者もその場で疑問点を解決しやすく講習を効率良く進められます。
そして、VR視聴後は安全運転のポイントを整理して講師が解説します。
「まなVRクラウド」では、研修ルームを作成して集合研修も可能です。もちろん、集合研修の際も受講者が講師と対話できる環境が整えられています。
このように、VRを使った交通安全講習では、対話形式で講習が進められ、複数のVRデバイスの利用も可能です。
【まなVRクラウド】Case5 右折時の事故 (沿道施設への進入)
ここからは、多数の交通安全講習コンテンツを提供している「まなVRクラウド」の中から、例を挙げて実際にVRを取り入れた交通安全講習を見ていきましょう。
今回ご紹介するケースは、道を譲ってくれた対向車の陰から自転車が飛び出し、右折する自動車と接触した事故、いわゆるサンキュー事故です。
ここからは、ドライバー視点と自転車視点に分けて詳しく解説します。
ドライバー視点
まずは、ドライバー視点を見てみましょう。
ドライバーであるあなたは、この先にあるコンビニエンスストアに右折で入ろうとしています。
しかし対向車線は渋滞しているため、右折できるタイミングを伺っています。
すると、一台の車が停止して道を譲ってくれました。
自転車と自動車の衝突
道を譲ってもらったため、急いで右折しようとしてハンドルを切りました。
すると、対向車の影から自転車が飛び出してきました。
あなたは急いで右折しようとしていたためブレーキが間に合わず、自転車と衝突事故になりました。
自転車視点
では、自転車側はどのように見えていたのかを確認しましょう。
自転車を走行しているものの渋滞中の自動車が視界をふさぎ、対向車線の様子はよく見えていません。しかし「車が曲がってくることはないだろう」と思い込み、特にスピードを落とさず走行を続けています。
すると、一台の車が右折してきました。自転車は右折してきた自動車に気づいたものの、お互いに停止が間に合わず衝突事故となってしまいました。
俯瞰で状況を理解
この事故を総合的に振り返りましょう。
この事故は、双方が対向車の死角にいたため気づくのが遅れたことで発生しました。
自動車側は「譲ってくれた相手を待たせては申しわけない」と考え、急いで右折したことが原因となっています。
一方で、自転車側も「自動車はこちらに気づいて止まってくれるだろう」と思い込んでしまい、視界が悪いにも関わらず対向車に注意せず走行したことが原因となっています。
このように、自転車側も自動車側も安全確認や周囲への注意が足りていなかったことが事故の原因です。
今回のコンテンツによる自転車側の学び
自転車のすり抜け走行の危険性を理解できるほか、近年増えているサンキュー事故へ危機感を持ってもらうこともできます。
二輪車側はすり抜け走行の危険性を理解し、極力避けることが大事です。
やむなくすり抜け走行を行う場合は、十分速度を落とさなければならないことが理解できます。
今回のコンテンツによる自動車側の学び
まずは、急いで右折する危険性の理解を深めることです。また、サンキュー事故の危険感受性の向上にもつながります。
このケースは「サンキュー事故」とも呼ばれる、よく起きる事故類型のひとつです。自動車側は、譲ってもらったからといって急いで右折するのは危険です。いつでも止まれる速度で右折しなければならないことが理解できます。
VR教材が月額課金モデルで利用できる「まなVRクラウド」
VRの導入を検討している場合はぜひ「まなVRクラウド」をご利用ください。
「まなVRクラウド」では、交通安全講習だけではなく労働災害講習など、さまざまなコンテンツを提供しています。月額課金モデルで、集合研修もご利用頂けます。
料金はSパック・Mパック・Lパックの3パターンからお選びいただけます。
それぞれの月額料金と月間再生回数は以下の通りです。
・Sパック:165,000円(税込)/〜500回
・Mパック:181,500円(税込)/〜1,000回
・Lパック:214,500円(税込)/〜2,000回
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