フォークリフトの種類と特徴・死角や重心による危険性も解説

フォークリフトは種類によって特徴や利用できる場所が異なります。また、死角や重心による事故も多く、集中力を持って操作しなければなりません。当記事ではフォークリフトの種類ごとの特徴や死角・重心による危険性について詳しく解説します。

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フォークリフトにおける代表的な種類として、次の6つが挙げられます。

  • カウンターバランスフォークリフト
  • マルチディレクショナルフォークリフト
  • サイドフォークリフト
  • リーチフォークリフト
  • ウォーキーフォークリフト
  • オーダーピッキングトラック

フォークリフトは、使用状況によって適切に使い分ける必要があります。ここでは、種類ごとの特徴について詳しく見ていきましょう。

1. カウンターバランスフォークリフト

屋内・屋外ともに利用される「カウンターバランスフォークリフト」は、フォークが車体の前方に装備されているフォークリフトです。

車体強度が高く安定しており、転倒しにくいといったメリットがあります。また、走行速度やフォークの動作スピードも早く、効率よく作業できる点も特徴です。

ただし、車体が大きいため、狭い場所での作業には向かない点はデメリットといえます。

2. マルチディレクショナルフォークリフト

「マルチディレクショナルフォークリフト」とは、前後左右に走行できるフォークリフトです。一般的なフォークリフトとは異なり前後左右に走行できるため、進行方向を変えるための切り返しを必要としません。

そのため、カウンターバランスフォークリフトでは使用が難しい狭い場所での作業も可能で、汎用性の高いフォークリフトといえます。

3. サイドフォークリフト

「サイドフォークリフト」とは、車体の横にフォークが装備されているフォークリフトです。広い荷台があるフォークリフトで、木材やパイプ、カーペットなどのような長いものを安全かつ確実に運ぶのに適しています。

長いものを運ぶ際、通常のフォークリフトだと荷物が不安定になり、落下するリスクも高いです。サイドフォークリフトの全長は約2,700mmもあり、真横に走行できるため、安心して荷物を運搬することが可能です。

4. リーチフォークリフト

「リーチフォークリフト」とは、荷物の積み下ろし時に支柱(マスト)を前後に動かすタイプのフォークリフトです。作業者が立った状態で操作するフォークリフトで、小回りが利くため、狭い場所での作業に適しています。

ただ、若干安定性が悪いため、重い荷物には適していません。そのため、荷物を高く積み過ぎるとバランスを崩す危険がある他、傾斜での作業も向いておりません。

 

5. ウォーキーフォークリフト

「ウォーキーフォークリフト」とは非乗車型の手動フォークリフトで、オペレーターは立ったまま操作します。他の種類に比べて車体がコンパクトであるため、最も小回りが利きます。

よって、他のフォークリフトでは作業が難しい狭い場所での利用にも最適です。また、エレベーターでの移動もできるため、階層ごとに作業が分かれている場合にも利用できます。

 

6. オーダーピッキングトラック

「オーダーピッキングトラック」とは、フォークと運転席が一緒に昇降するタイプのフォークリフトです。高いところにある荷物をオペレーターが出し入れする際などに便利な種類といえます。

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ただし、オーダーピッキングトラックでの作業は高所となる点には注意が必要です。特に、上昇する際には安全帯を使用するなど、安全性を確保しなければなりません。

種類特徴
カウンターバランスフォークリフトフォークが車体の前方に装備されている
マルチディレクショナルフォークリフト前後左右に走行でき、進行方向を変えるための切り返しを必要としない
サイドフォークリフト車体の横にフォークが装備されている
リーチフォークリフト荷物の積み下ろし時に支柱を前後に動かし、作業者は立った状態で操作する
ウォーキーフォークリフト非乗車型で、最も小回りが利く
オーダーピッキングトラックフォークと運転席が一緒に昇降する

フォークリフト作業で大きな荷物を運ぶ場合、荷物が視界を遮って前方が見えず、人身事故や物損事故につながるケースがあります。

また、多くの荷物が積載される倉庫や作業場などでは、死角が多く発生します。そのため、高く積み上げた荷物の脇から急に人が飛び出し、人身事故が発生したり、フォークリフト同士の衝突事故が発生するリスクもあります。

高い位置にある荷物を取り置くことができるフォークリフトですが、荷物の重心が

不安定なまま荷役業務を行うと、荷崩れを起こす場合も少なくありません。重心に少しでも違和感を感じた場合は無理に動かさず、一度降車して確認するなどの配慮が必要です。

フォークリフトの事故に直結する死角の危険性への対策として、次の2つが挙げられます。

  • 死角になりやすい右方向の確認
  • 安全性に配慮した対策

フォークリフトによる事故を未然に防ぐには、正しい方法による対策が欠かせません。安全な運転を徹底するためにも、それぞれの対策に関する詳しい内容を解説します。

死角になりやすい右方向の確認

フォークリフトの死角となりやすいのは「バック走行時の右後方」です。フォークリフトは主に左半身寄りで乗車して操作するため、左後方および後方などは問題なく確認できます。

一方、右方向は身体をひねらないと確認できず、身体の構造上、十分に見ることができず、死角がうまれやすいです。そのため、フォークリフトを運転する際は右後方を確実に確認する習慣付けが必要です。

また、人が行き来する場所でフォークリフトを利用する場合は、周囲に人がいないことを確認しながら操作するなどの対策を徹底しましょう。

 

安全性に配慮した対策

フォークリフトも車同様に重機であり、運転には資格が必要です。しかし、資格を取得していれば安全というわけではなく、安全性に配慮した対策が求められます。

例えば、フォークリフトの発進時はブザーを鳴らして死角にいる人にフォークリフトの存在を知らせることで、事故の未然に防防ぐことが出来ます。

また、騒音が激しい場所ではブザーが聞き取れない可能性もあるため、警告灯もあわせて使用してみてください。警告灯の照射がフォークリフトの存在を視覚的に知らせてくれます。

さらに、人が通る場所と作業する場所を区別するのも有効です。明確に区別して人の進入を禁止すれば、接触や衝突を原因とする事故の防止につながります。

フォークリフトの安全な操作には、死角だけでなく重心についても理解しておかなければなりません。フォークリフトの転倒事故を起こさないためにも、重心と荷重許容範囲について解説します。

 

車体が安定する重心

参照:フォークリフトの重心位置と転倒の関係

「フォークリフトの重心位置と転倒の関係」では、上記の写真を用いながら、中心となる重心がG1・G3にある場合、転倒の危険があることが指摘されています。反対に重心がG2であれば、安定して走行できるといわれています。

フォークリフトの転倒原因として多いのが車体の重心です。フォークリフトの車体を安定させて安全に操作するには、重心を前輪と後輪軸中心の3点を結んだ三角形の中心に置かなければなりません。

重心が三角形の中心以外にあると車体が安定せず、転倒のリスクが高まります。フォークリフトを操作する際は、常に重心を意識することが大切です。

 

最大荷重と許容荷重

最大荷重とは、基準荷重中心に対して積載できる最大の重さを指します。一方、荷重の中心位置によって最大荷重が変化しますが、これを許容荷重といいます。最大荷重と許可荷重は以下のとおりです。

  • 最大荷重1t未満:許可荷重400mm
  • 最大荷重1~5t未満:許可荷重500mm
  • 最大荷重5~15t未満:許可荷重600mm
  • 最大荷重15~24t未満:許可荷重900mm
  • 最大荷重24t以上:許可荷重1,200mm
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許容荷重を守らず操作すると重心が安定せず、その結果として転倒リスクを高めます。

フォークリフト事故は、死角を原因とした人身事故や物損事故が多いのが特徴です。よって、走行前には周囲の安全確認を徹底するのはもちろんのこと、普段の業務で危機感を持ってフォークリフトを操作する心構えが重要です。株式会社CADネットワークサービスでは、危機感をVRコンテンツで感じていただき、日常の事故を減らす取り組みをしております。

また、フォークリフトを使って作業する場所には不要物を置かないようにしたり、人の通る場所と作業する場所を区別したりといった安全対策も必要です。さらに、死角だけでなく重心を意識した操作を徹底しなければ、荷崩れや転倒といったフォークリフト災害が起きるリスクが高まります。

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